Yoshi Nishikawa Blog

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症例報告の同意について

症例報告

これには、基本的には外部発表に際して、症例同意が必要です。

*ゲノムを用いるものなど、特殊なものは別で、倫理委員会による審査+同意が求められます。

倫理まわりの背景

個人情報保護法の改正に伴い、臨床研究まわりは倫理的配慮が厳格化されました。
症例報告に関して、指針まわりの背景をまとめます。

個人情報保護法等の改正に伴う 研究倫理指針の改正について(平成29年5月)

(5頁) いわゆる「症例報告」や「ケースレポート」は医学系指針の対象となっておらず、現在も、「医療・介護関係事業者 における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」において、「十分な匿名化が困難な場合は、本人の同意を 得なければならない」とされている。

医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス

(10頁) また、特定の患者・利用者の症例や事例を学会で発表したり、学会誌で報告したりする場合等は、氏名、生年月日、住所、個人識別符号等を消去することで匿名化されると 考えられるが、症例や事例により十分な匿名化が困難な場合は、本人の同意を得なけれ ばならない。 なお、このような学会での発表等のために用いられる特定の患者の症例等の匿名化は、 匿名加工情報(II5.参照)とは定義や取扱いのルールが異なるので留意が必要である。 さらに当該発表等が研究の一環として行われる場合にはI9.に示す取扱いによるものとし、学会等関係団体が定める指針に従うものとする。

論文化する場合、貴重な病気、珍しい経過などのことも多いです。 そもそも、症例報告に関しては、患者さんの経過の記録になります。xxxx病院で、xxxxくらいの年齢のxxxx性が、xxxxという病気で、xxxxを投与して、xxxxの経過で、とまで絞られると、完全な匿名化は厳しいです。

しっかり患者さんへの情報提供、協議を行った上で、書面上もご同意いただいくのが良いでしょう。