Yoshi Nishikawa Blog

医学となにかのインタラクティブ

csvファイルの読み込み

元データから読み込む際に、高頻度で出現する(していた)R上のエラー。対応策を備忘録として残しておく。

読み込みたいcsvを「UTF-8」形式にしておく。

私はmiというエディタを用いている。

“as.is=T"を入れる

文字列、数値が混在していてもOK。もし、数値が文字列化しているなら、数値変換処理"as.numeric()“を実行

上記でかなり解決できる。

5-FUによる高アンモニア血症では、異化産物のFBALとFMAが蓄積

5-FUによる高アンモニア血症の5-FU代謝血中濃度分析論文についての解説記事

わたしたちのチームの研究で、5-FUによる高アンモニア血症を来した時にフルオロ・ベータ・アラニン(FBAL)とモノフルオロ酢酸(FMA)という異化産物の血中濃度が上昇していることが示されました。 この研究は2017年2月15日付でCancer Chemotherapy and Pharmacology誌(オンライン版)に掲載されました。

概要

抗がん剤5-フルオロウラシルは、消化管癌にしばしば使われる薬剤ですが、時に「高アンモニア血症」を引き起こします。そのメカニズムは、1990年代より「仮説」に留まり、解明されていませんでした。今回、5-FUによる高アンモニア血症を発症した症例に対し、5-FU代謝物の血中濃度分析を行い、異化産物のFBAL, FMAが上昇していることを突き止めました。対象症例は、透析患者でした。なお、FBALは腎排泄であることが知られています。5-FU投与に際しても、高度腎機能障害時には注意する必要があります。

その原因について

1990年代から、KH Yer (British Journal of Cancer 1997)らの報告にあるように、5-FUの異化産物FBALが蓄積し、その結果、FMAが増える。このFMAは劇薬なのですが、TCA回路という人間の生命維持に必要な回路を止めてしまいます。ATPという生命維持に必要な物質が供給できなくなり、さらに尿素回路がストップする。これにより、高アンモニア血症をきたすということが予想されていました。ただ、5-FUはすぐに代謝されてしまうため、実際の所は証明されていませんでした。

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アンモニア血症発生機序の概念図(Nishikawaら2017より一部改変)

どうして今回血中濃度検査ができたのか

今回、事前に前向きの5-FU血中濃度検査研究に登録いただいた症例が、偶然に高アンモニア血症を起こしました。5-FUは、上図のDPDという酵素を介して体の中ではたちまち分解されてしまいます。しかし、本症例では、投与前、投与中、投与後の保存検体があったため、実際の5-FUおよびその異化産物の血中濃度測定が可能でした。その結果、たしかに5-FUによる高アンモニア血症を来した時にFBALとFMAという代謝物の血中濃度が上昇していることが示されました。

5-FUと腎機能

5-FUは、基本的に肝代謝のため、あまり投与量の制限に関しては言及されていません。しかし、FBALは腎排泄のため、腎機能障害患者で蓄積する可能性があります。今後、投与基準には、高度腎機能障害時の対応を鑑みる必要があると考えています。

出典:Cancer Chemotherapy and Pharmacology誌(オンライン版)

フォレストプロットを描く~JMP編

JMP

JMPという統計ソフトを用いて学んだ。 www.jmp.com

SAS社が開発したソフトウェア。

Forest plot

以下のページでforest plotというアドインを以下で取得。Rでいうpackageですね。 community.jmp.com

同ページ内においてあったRosaMeta.jmpで作成

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同ページ内においてあったNicardipine.jmpで作成

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Forest plotの用途

メタアナリシス

データの見出しは以下のような感じ。 f:id:yoshi_nishikawa:20170209000821p:plain

サブグループ解析

データの見出しは以下のような感じ。 f:id:yoshi_nishikawa:20170208150139p:plain

サブグループ解析に関して、以下の記事、勉強になった。 mumu.jpn.ph

今回は、ForestplotとJMPの使用感を学べた。こういう切り口で学ぶのも面白い。

Epidemiology and the Delivery of Health Care Services: Methods and Applications

ざっと読んだ。

PART1
1. An Epidemiologic Framework for the Delivery of Health Care Services
2. Measurement Issues in the Use of Epidemiologic Data
3. Descriptive Epidemiological Methods
4. Epidemiological Study Designs for Evaluating Health Services, Programs, and Systems
5. Screening and Surveillance for Promoting Population Health
6. Strategic Planning and Its Epidemiological Basis

PART2
7. The Role of Managerial Epidemiology in Infection Prevention and Control
8. Health Risks from the Environment: Challenges to Health Service Delivery
9. Delivering Health Care with Quality: Epidemiological Considerations
10. Advancing Patient Safety Through the Practice of Managerial Epidemiology

PART3
11. Epidemiology and the Public Policy Process
12. Ethics and Managerial Epidemiology Practice

前半は疫学の基礎的な話。読みたかったのは後半、医療の質評価の話。9章、10章あたり。9章のイントロ、拙訳を載せておく。

患者をケアするプロセスを評価するという考え方は、1968年にDonabedianによって提唱された「Quality of Care」に遡る。しかし、2001年の報告書「Crossing the Quality Chasm」で漸く国民の注目を集めた。それより10年ほど早く、組織戦略としての品質管理は関心を呼んだ(Counteら、1995、1992; Glandonら、1993)。(中略)医療へのアクセスは、避けることのできた入院など、他の疫学的測定項目とともに、「質の向上と健康寿命の延長」(USDHHS, 2000)という目標への進捗状況を測定するための指標の1つである。医療の提供における品質の追求は、民間・公共にかかわらず、品質管理という目標は、人口の健康を改善することを求める点で疫学の目標と平行している。この章では、品質を評価し、改善の機会を特定し、変化が組織の業績と健康成果に及ぼす影響を調べるための疫学的概念について説明する。

ggplot2でグラフ作成 (3)

ggplot2

2016年に出版されたggplot2に関するHadley Wickhamによる著書。その名もggplot2、の続き。この本、最後まで読み解いて分かるが、本当におすすめ。データを扱うすべての人が読んだら良いと思う。

コンテンツ

大きく分けて3部で構成され、全12章にわかれている。最後の第三部は、解析のためのノウハウ。こういうものは、実データを前にしながら学んでいくのが良いと思う。大項目だけ列挙する。

Part3 データ解析
9 データ解析
10 データ変換
11 可視化のためのモデリング
12 プログラミング

途中詳しく取り扱わなかった重要箇所もあるので、補足するかも知れない。

2016年に発売の原著。お世話になりました。

1つ古い版の日本語の訳本はこちら。

MCMC

はじめての統計データ分析

「はじめての統計データ分析」 に関して覚書。
1章の記事はこちら。

2章のハイライト

1) MCMC(Markov chain Monte Carlo method)により事後分布のデータを用い、
2) MCMCには、Metropolis-Hasting method, Gibbs sampling methods, Hamiltonian Monte Carlo methodなどが提案されています。
3) MCMCの欠点は、事後確率が定まらないことです。小数点xx桁まで行くと、施行毎に異なる結果を生じます。

この章をマスターすれば、あとは同じ概念の繰り返しという印象。